「過去に差別や不利益を受けてきた集団なので、現在の優遇措置は問題ないと言われた」
対応はこれだけでOK
理由や根拠が示されていない段階なら
あなた
もう少し確認する
そのまま受け止める必要はありません。過去に不当な扱いがあったことだけでは、現在の扱いをどうするべきかまでは決まりません。
まず確認
過去に不当な扱いがあったことと、今の扱いをどうするべきかは分けて考えられます。過去の事実だけで現在の結論まで自動的に決まるわけではありません。
相手の考えを理解することと、その意見や要求に同意することは別です。理由を確認して納得できなければ、受け入れないという判断もできます。意見が一致しないこと自体で、直ちに差別になるわけではありません。
返すなら
なぜこれでいい?
過去の不利益を是正する政策には合理性があり得ます。一方で、その方法や対象、期間が妥当かは別に検討する必要があります。
大切なのは、相手の属性ではなく、主張の内容と実際の扱いを分けて考えることです。話を聞いたうえで同意しない、という結論でも構いません。
それでも話すなら
こう返されたら
「今まで不利だったんだから公平にするだけです」
あなた
「スタート地点が違うんですよ」
あなた
「多数派はずっと得をしてきました」
あなた
詳しく考える
ロジック
過去の差別を是正するための優遇措置には合理性があり得ますが、「過去に差別された」だけで、どんな優遇でも正当化されるわけではありません。
- 形式的に同じ扱いをするだけでは、過去から続く不利益が残る場合があります。
- そのため、実質的な平等を実現する目的で一時的な特別措置を取る考え方は国際人権法にもあります。
- 一方で、その措置が必要なのか、誰を対象にするのか、いつまで続けるのかは別途検討する必要があります。
具体例
過去の差別で特定集団が教育機会を失ってきた場合、是正策は考えられます。ただし、現在の個人を属性だけで永久に異なる基準で扱うことまで自動的に正当化されるわけではありません。
確認するポイント
- 国連の女性差別撤廃条約・人種差別撤廃条約の解釈でも、実質的平等のための特別措置が認められています。
- 同時に、こうした措置は目的達成との関係や必要性を伴うものとして整理されています。
根拠・出典
UN Committee on the Elimination of Racial Discrimination / OHCHRGeneral Recommendation No. 32: Special measures
不利な集団の実質的平等を確保するための特別措置という考え方を示しています。
元資料を見る ↗UN Committee on Economic, Social and Cultural Rights / OHCHRGeneral Comment No. 16: Equal right of men and women実質的平等のため一時的な特別措置が必要になり得る一方、目的達成後には終了するという考え方を確認できます。
元資料を見る ↗